2011年度助成対象

Grant for 2011

授与式を執り行い、韓昌祐理事長より、お一人ずつ目録が手渡されました。
授与式後には懇親会も開催され、多くの方々にご参加いただき、盛況のうちに終了いたしました。

助成受贈者(※敬称略)

  • 呉 夏 枝(オ ハヂ) 美術作家

    在日1世・2世のチマ・チョゴリの調査と作品制作 在日社会において語られることのなかった記憶の継承の実態、それらの意味やカタチなどをめぐって制作活動に取り組むなかで、注目しているのがチマ・チョゴリである。ハレの日のためのチマ・チョゴリは在日1世・2世の女性にとって、ときに自尊心をもって自身の存在を表す衣服でもある。それらにまつわる調査によって、記憶を掘り起こし、作品化することで記憶の継承を試みていく。
  • 國分 典子(コクブン ノリコ) 日韓比較憲法研究会代表/筑波大学大学院人文社会科学研究科教授

    日韓憲法学者の交流基盤づくりと研究成果の出版 日韓の法学者による交流は近年、増えてきてはいるが、いまだ両国の制度紹介にとどまるものが多い。そこで日韓の憲法学者の交流基盤をつくり、それぞれの研究支援を行うとともに、研究成果の発表の場を提供することを主な目的に活動する日韓比較憲法研究会を開催する。その研究成果を『日韓憲法学の課題と対話(仮題)』(全2巻)という書籍で発表することを予定している。
  • 樋口 直人(ヒグチ ナオト) 徳島大学ソシオ・アンド・アート・サイエンス研究部准教授

    データで読む在日コリアンの地位の変遷 在日コリアンの社会経済的地位については、データがほとんど整備されていないこともあり、議論されることがなかった。その地位(職業と学歴)は、日本人との比較でどんな相違があり、過去20年間でどのように変化してきたのか。高年層と若年層で学歴と職業の相関関係、高学歴化の相違、「在日三大業種」の従事比率の変化などについて、データ分析という初の試みにから明らかにしていく。
  • 柳 美 羅(ユ ミラ) 国際藝術交流 海の道代表

    韓国の才人廳舞踊と日本の伝統音楽との協演 才人廳舞踊とは、李朝時代に現在の韓国京畿道で舞踊や音楽、各種の芸能を担った芸人組織「才人廳」による舞踊群のこと。宮中ではなく民間で伝承されてきた踊りで、近代化以前の庶民の文化をよく伝えている。この韓国伝統芸能と日本の伝統音楽とのコラボレーションによる「海が伝える古(いにしえ)の記憶」と題した公演を開催し、日韓交流の歴史を表現する。
  • 赤坂 憲雄(アカサカ ノリオ) 学習院大学文学部日本語日本文学科教授

    在日コリアンの東日本大震災体験を綴った証言集の出版 東日本大震災の主な被災地である東北4県にも多数の在日コリアンが暮らしているが、その被害実態はまだ明らかにされていない。そこで、東北4県の在日コリアンの被災体験の聞き取り調査を行い、証言集として出版する。同時に、本調査により、これまであまり顧みられることのなかった戦後の東北における在日コリアン社会にもスポットを当てることで、被災に至るまでの歴史を綴る。
  • 東 潮(アズマ ウシオ) 徳島大学大学院ソシオ・アンド・アート・サイエンス研究部

    日本と新羅の交流を基軸に東アジアの国際関係を研究 韓国慶州における古都・新羅王京の発掘が進められたことで、新羅と東アジアとの交流などが紐解かれはじめている。そうした成果をもとに、「新羅王京と東アジア—遣唐使から遣新羅使へ—」をテーマに、7〜8世紀の統一新羅をめぐる国際環境を明らかにしていくと同時に、墓制・陵園制と都城制を総合的にとらえ、新羅王権の特質なども探っていく。
  • 別所 哲也(ベッショ テツヤ) ショートショート実行委員会代表

    日本発・アジア最大級の国際短編映画祭を開催 米国アカデミー賞公認、日本発・アジア最大級の「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」は、国際短編映画祭として成長を続けており、2012年も6月に東京で開幕した。今回は韓国の旅の魅力を描くショートフィルムを上映。これまで実行委員会が手がけてきた日韓観光振興プロジェクトを継続し、今後もショートフィルムを通して日韓の国際文化交流の場を提供していく。