2009年度助成対象

Grant for 2009

3月12日、都内ホテルにおいて、第4回2009年度の助成対象に選ばれた皆様への授与式を執り行い、韓昌祐理事長より、お一人ずつ目録が手渡されました。 授与式後には懇親会も開催され、多くの方々にご参加いただき、盛況のうちに終了いたしました。

助成受贈者(※敬称略)

  • 朴 琴香(パク クヒャン) 東京藝術大学音楽学部器楽科

    パリ・エコールノルマル音楽院でのクラシック音楽の総合的研究 5歳からピアノを始め、現在、東京藝術大学音楽学部器楽科で学ぶ。多くのコンクールで実績を残し、2009年には横浜国際音楽コンクールで優勝、パリ・エコール・ノルマル音楽院への留学のチャンスを掴む。クラシック音楽の本場ヨーロッパでさらにピアノのテクニックを磨き、音楽の研究を重ねるとともに、多くの人々に芸術の素晴らしさを伝えたいと意欲を燃やす。
  • 河 尊 永(ハン ジョンヨン) 関西学院大学ゴルフ部

    2009年韓国国体、ゴルフ競技の海外部門で金メダルを獲得し、世界のゴルファーを目指す プロへの登竜門である日本ジュニアゴルフ選手権でベスト10入り、全国高等学校ゴルフ選手権では現在プロで活躍する石川遼選手を押さえて上位入賞を果たすなど、将来を期待される学生ゴルファー。韓国の全国国民体育大会では海外同胞部門で優勝し、日本と韓国だけでなく世界を舞台に活躍するプロゴルファーをめざして日々練習に励む。
  • 坂中 英徳(サカナカ ヒデノリ) 社団法人移民政策研究所代表

    人口減少社会の移民政策と北朝鮮帰国者問題に関わる研究 法務省に入省し、東京入国管理局長などを歴任した後、外国人政策研究所を設立。法務省時代から現在まで、一貫して在日外国人問題に取り組んできた。その経験と見識に基づき、人口減少社会の移民政策論を展開し、注目を集める。書籍出版およびフォーラムの開催などを通して、移民政策の研究と啓蒙、北朝鮮帰国者など人道的配慮を要する移民に対する支援活動を実施する。
  • 富井 正憲(トミイ マサノリ) ソウル近代都市建築研究会代表

    お植民地時代のソウル街並み復元1930年代の時代空間と生活文化の研究 現在、韓国の漢陽大学建築学科専任教授。20年前から日本の植民地時代のソウル(旧京城)に計画建設された都市・建築を対象に、日韓近代都市建築史の研究に取り組む。その一環として、完成に近づいているのがソウルの南村本町通り、北村鐘路通りの復元である。この独創的な研究における成果物の展示および講演を開催し、日韓両国の文化の発展と理解を促す活動に貢献する。
  • 善元 幸夫(ヨシモト ユキオ) 日韓合同授業研究会代表

    第二次大戦時の沖縄・挑戦人矯正連行虐殺の真相研究 新宿区立大久保小学校の日本語国際学級教諭。日々の授業を通して日韓の相互理解を深める日韓合同授業研究会を設立。現在、第二次大戦時の沖縄・朝鮮人犠牲者の全体把握、日本軍が虐殺行為に及ぶ精神構造などの調査・研究を進める。過去の戦争責任や犯罪を問うのではなく、これらの実体調査を授業交流に活かすことで、東アジアを見据えた日韓相互理解を深める活動とする。
  • 森元美代治(モリモト ミヨジ) NPO法人IDEAジャパン代表

    ハンセン病回復者の自立支援、差別や迫害に対する啓蒙活動 IDEAジャパンは国際組織としてハンセン病回復者の自立支援や差別・迫害に対する啓蒙活動を行っている。日本に13ある国立ハンセン病療養所のなかで、最大の県人会が在日コリアンの県人会であり、在日コリアンの回復者はハンセン病と在日という二重の差別に苦しんできた。こうした状況の改善を目的に、家族が差別されず尊厳を取り戻して一般市民として共存できる社会の実現をめざす。2009年のシンポジウムでは、日本・韓国・台湾・ハワイのハンセン病回復者の家族会を招聘、差別の実態や家族の絆をいかに回復したかという報告が衝撃と感動を与えた。この記録をブックレットとして出版し、偏見差別を克服するための突破口とする。
  • 辛 淑玉(シン スゴ) 被差別日系研究所代表

    日本社会におけるマイノリティの実態調査とネットワークづくり 団体名の「被差別日系」とは、2000年以降にアメリカで使われるようになった表現で、日本の植民地支配と戦後のGHQ占領政策のなかで、今なお人権が確立していない人々の総称である。在日コリアン、サハリン置き去り朝鮮人、在日被爆者、BC級戦犯、アイヌ民族などが挙げられる。こうした社会から見えにくい存在を調査して問題を整理し、何らかの支援施策の法制化をめざす活動を進めていく。
  • 小林 明(コバヤシ アキラ) NPO法人京都フィルハーモニー室内合奏団代表

    クラシック音楽の演奏、研究、普及と日韓演奏家との合流事業 京都フィルハーモニー室内合奏団は、創設から38年間、一貫してクラシック音楽の演奏、研究、普及活動を行ってきた。特に子どもたちに音楽の楽しさを享受してもらうことを目的に、「学校音楽観賞会」などを積極的に展開。また日韓交流コンサートで日韓の優秀な演奏家と共演するほか、日本・韓国で古くから伝わる歌や芸術歌曲を演奏するなど、今後も日韓の音楽交流活動に力を注ぐ。
  • 池田 博穂(イケダ ヒロオ) 映画監督

    ドキュメンタリー映画 『弁護士 布施辰治』の制作 日本の富国強兵政策による近代化は、どのような形で進められたのか。それを民衆の視点から捉えたドキュメンタリー映画3部作を製作。すでに『時代を撃て多喜二』、『赤貧洗うがごとき-田中正造と野に叫ぶ人々』が完成し、高い評価を得ている。その3作目として取り組んでいるのが『弁護士 布施辰治』。「世の中に一人だって見殺しにされていい人はいない」との信念を貫き、日本の侵略行為によって弾圧・迫害を受けた朝鮮民族の生存と自由のために命をかけた弁護士の生涯を描き、日本の過去の負の課題を正面から見つめ直す。
  • 黒田福美(クロダ フクミ) オフィス・クロダ代表

    これまでに紹介されることのなかった「韓国の田舎」を主題にしたテレビ番組の制作 優として活躍する傍ら韓国との交流を深め、2001年には韓国西江大学韓国語センターに留学、現在は韓国観光名誉広報大使を務めている。そうした活動のひとつとして、韓国の隠れた魅力を伝えるための番組を企画制作する。韓国の地方における風土や文化、人々など、日本ではあまり紹介されていないところにスポットを当て、韓国文化をより多角的に、深く解してもらうことをめざす。