2012年度助成対象

Grant for 2012

2013年3月14日(木)、公益財団法人になって初の助成金授与式&記念レセプションを開催いたしました。本財団の理事、評議員をはじめ各界から多数の方々の御列席を賜りました。2012年度の助成対象は4団体、5個人。9名の助成金受贈者へ、本財団の韓昌祐理事長から助成金の目録が手渡されました。続いて行なわれた記念レセプションでは、祝賀コンサートが開かれるなど、終始和やかな雰囲気のものとで幕を閉じました。

助成受贈者(※敬称略)

  • 齋藤 徹(サイトウ テツ) 音楽家

    日韓欧の音楽と舞踊の協演で民族の記憶を探る 人はなぜ歌うのか? なぜ踊るのか?「音」を通じてそれらを確かめることは、人間とは何かを探ることであり、さまざまな民族に共通する記憶を呼び起こすことにもつながる。日韓の音楽家、舞踊家にフランス人の芸術家を加え、音楽と舞踊による公演を実施する。
  • 朴 敬 玉(パク キョンオク) 文教大学国際学部非常勤講師/一橋大学大学院特別研究員

    近代中国東北部の朝鮮人移民と稲作農業の研究 1920年代から30年代にかけての中国東北地域における稲作農業の展開について、朝鮮人移民の移動と定住の過程を中心に実証分析を行ってきた。今後は中国東北地域で生活する朝鮮人移民一世・二世に取材するなど新たな成果を加え、一冊の本としてまとめていく。
  • 中沢 けい(ナカサワ ケイ) K-文学振興院回 代表/小説家/法政大学文学部日本文学科教授

    韓国文学作品の紹介を通して日韓相互の理解を促す 文学作品および出版物の紹介は、韓国文化に対する理解を深めるうえで大きな役割を果たす。韓国のさまざまなジャンルの出版物情報を日本の出版関係者に提供し、日本での翻訳出版を促すとともに、翻訳者および翻訳志望者と出版業界をつなぐ活動を行っていく。
  • 韓 希 姃(ハン ヒジョン) 京都市立芸術大学大学院美術研究科保存修復専攻博士課程

    17世紀朝鮮時代に制作された大型仏画の調査研究 野外での仏教儀式用大型仏画「掛仏幀」は、貴重な文化遺産にもかかわらず、美術史領域での断片的な研究に限られている。そこで、原画調査と科学分析を行うことで伝統材料や制作技法を明らかにし、復元および模写制作に取り組み、「掛仏幀」研究の一助とする。
  • 郷司 泰仁(ゴウジ ヤスヒト) 公益財団法人 香雪美術館学芸員

    高麗仏画の日本における受容と信仰と影響の研究 日本には数多くの高麗仏画が伝来するが、それらがどのように受容されてきたのかは明らかにされていない。滋賀・延暦寺が所蔵する「阿弥陀八大菩薩像」(延暦寺本)の高麗仏画を手がかりに、その模写作品群の調査研究を通して高麗仏画の日本への影響を考察する。
  • 大熊 廣明(オオクマ ヒロアキ) 筑波大学体育・スポーツ史研究会代表/筑波大学体育系教授

    日韓の体育・スポーツ交流史に関する共同研究 古代から近代に至る日韓の体育・スポーツ(身体運動文化)交流の歴史について、筑波大学体育史研究室とソウル大学体育史研究室が共同研究を行ってきた。その成果を日本で開催予定の「東北アジア体育・スポーツ史学会」および日韓の各国内学会で発表する。
  • 李 允 希(イ ユニ) 「話してみよう韓国語」東京・中高生大会2014実行委員会 代表/東京成徳大学人文学部国際言語文化学科教授

    「話してみよう韓国語」東京・中高生大会2014の実施 関東圏の中高生を対象に、韓国語初中級学習者が誰でもステージに上がることができ、学習の励みになる大会開催をめざして活動している。スキット台本や写真など独自の素材を用いて、初級学習者が無理なく応募ができ、また楽しんで参加できる大会を開催する。
  • 上野 密(ウエノ ミツル) 一般社団法人 全国肢体不自由児者父母の会連合会 代表/同法人常務理事

    障碍者も参加できる「韓弓」の普及活動を展開 「韓弓(ハングン)」は韓国生まれの画期的なスポーツで、両手のストレッチ運動により運動や学習の集中力を向上させ、リハビリ効果も大きい。当会では韓弓を「ハンドアーチェリー」と称し、障害者への支援の輪が広がることを目的に、日韓親善交流の大会を開催する。
  • 内藤 陽介(ナイトウ ヨウスケ) 郵便学者/成城大学文芸学部非常勤講師

    郵便学的視点から韓国戦争史を再構築する 切手には発行国の政策やイデオロギー、社会や経済状勢が反映され、切手を発売して郵便サービスが提供される地域は切手発行国の影響下にあることを意味する。その特性を活かし、郵便学という新たな視点で韓国戦争史を再構築し、展示や出版などにより発表する。